人類の未来に役立てる新しい素材,機能材料を開発するために,物質の仕組みを電子,原子,分子レベルに立って深く理解し,それに基づいて全く新しい物質や構造を創り出し,また,新規な機能を創造することを目指しています.“基礎なくして応用なし”という信念から,基礎科学指向の研究を重視するとともに,“応用なくして基礎はない”という事実から,応用指向の研究を奨励しています.本研究科では,物質科学分野で世界的に評価される研究成果を挙げるとともに,次世代を担う創造性豊かな人材を養成することを目的としています. 具体的には,光と物質の相互作用を基礎として物質科学を捉え直した「光ナノサイエンス」を推進しています.「光で観る」,「光で創る」,「光を制御する」という観点から研究を推進することで,物理,化学,生物という既存の学問領域を越えた融合領域の展開を目指します.その研究成果は,新理論の構築,新現象の発見,新機能材料の創成,新技術の提供,革新的な装置の発明などとして結実し,私たちの未来を豊かにします.併せて,体系だった教育を通して養成した人材を,これからの産業界,学界を担う優れた技術者・研究者として社会に送り出します.
対象とする物質群によって本研究科の講座を分類すると,4つに分けることができます.それを特徴的な研究手法および成果として生み出される新規物質の例とともに下の図に示します.量子物質と情報物質を対象とするグループを物性・情報系コース,有機・高分子物質と生体物質を対象とするグループを反応・生物系コースと呼んでいます.本研究科の学生定員は,博士前期課程が90名,博士後期課程が30名です.
国際的に活躍している教授陣,各分野で嘱望されている若手教員を擁し,卓越した業績をあげています.科学研究費補助金をはじめ競争的外部資金の導入は,国内でトップクラスです.学生に対する教員数の比率が高いため,きめ細かなマンツーマン教育が実現しています.最新の研究設備が完備し,建物も新しく広々したスペースで,心行くまで研究や勉強に打ち込める環境が整っています.また,研究科の共同施設である物質科学教育研究センターおよび9名の技術職員が,研究科の研究教育を全面的にサポートしています.
物質科学技術の基礎的研究ならびに教育を行う15の基幹講座と,新材料の応用開発や新規デバイスへの展開を推進する6つの連携講座から成り立っています.連携講座は,企業の研究所など大学以外の研究機関が担当しています.したがって,本研究科の学生は,本学の施設や設備を使った教育・研究ばかりでなく,企業等の研究施設を利用した教育や研究指導を受けることもできるシステムになっています.従来の産から学への一方通行的な産学共同に対し,学も産に入り込んで双方向的な交流による成果を狙っているのが新しい点です.
(1) αコース
博士前期(修士)課程と博士後期(博士)課程を一貫研究指導し,最短3年で学位取得を目指します.早い段階から博士論文を目指した研究を進め,修士論文の代わりに英語論文作成や国際会議での発表が求められます.
(2) πコース
博士前期(修士)課程と博士後期(博士)課程で異なる教員の指導を受ける複数専門制とすることで,さまざまな研究機関や企業での活躍も期待できる柔軟で視野の広い研究者の育成を目指します.
博士前期課程の約50%,博士後期課程の全員がキャンパス内の宿舎に入居できます.また,希望者のほとんどが,学生支援機構の奨学金を受給しています.成績が優秀な学生は,TAやRAに採用され,給与を受けることができます.外国で行われる国際会議に参加するための旅費を援助するばかりでなく,学術交流協定校が全世界に広がり,留学機会にも恵まれています.
年 月 |
事 項 |
| 平成8年5月 | 物質創成科学研究科設置,今西幸男教授着任,研究科長を併任 |
| 平成9年4月 | 大門寛教授,冬木隆教授,垣内喜代三教授,谷原正夫教授着任 |
| 平成10年3月 | 物質創成科学研究科研究棟1期工事完成(E棟北及び大講義室) |
| 平成10年4月 | 櫛田孝司教授,相原正樹教授,布下正宏教授,塩嵜忠教授,菊池純一教授, 片岡幹雄教授,小夫家芳明教授着任 博士前期課程第1期生受入れ 物質科学教育研究センター設置 古賀憲司教授着任,櫛田孝司教授センター長に選任 |
| 平成11年2月 | 物質創成科学研究科研究棟2期工事完成(F棟西) |
| 平成11年5月 | 橋爪弘雄教授着任 |
| 平成12年3月 | 初の修士号授与(博士前期課程1期生修了) |
| 平成12年4月 | 櫛田孝司教授を研究科長に選任.古賀憲司教授をセンター長に選任. 博士後期課程第1期生受入れ |
| 平成13年2月 | 物質創成科学研究科研究棟3期工事完成(E棟南及びF棟東) |
| 平成14年3月 | 櫛田孝司教授,今西幸男教授停年退官 |
| 平成14年4月 | 金光義彦教授昇任 片岡幹雄教授を研究科長に選任.冬木隆教授をセンター長に選任. |
| 平成14年5月 | 藤木道也教授着任 |
| 平成14年9月 | 初の博士号授与(短期修了) |
| 平成15年3月 | 博士後期課程1期生修了 古賀憲司教授停年退官 |
| 平成16年3月 | 河合壯教授着任 |
| 平成16年4月 | 国立大学法人に移行. 片岡幹雄教授を研究科長に選任. 布下正宏教授を副研究科長に選任,物質科学教育研究センター長を併任. 垣内喜代三教授が学長補佐に指名される. |
| 平成16年10月 | 太田淳教授昇任 |
| 平成17年3月 | 橋爪弘雄教授定年退職 |
| 平成17年4月 | 片岡幹雄教授を研究科長に選任. 布下正宏教授を副研究科長に選任,物質科学教育研究センター長を併任. 大門寛教授,垣内喜代三教授,小夫家芳明教授,谷原正夫教授が学長補佐に指名される. |
| 平成18年3月 | 量子物性科学講座金光義彦教授転出. |
| 平成18年4月 | 量子物性科学講座に柳久雄教授着任,超高速フォトニクス講座が設置され河口仁司教授着任. |
| 平成19年3月 | 小夫家芳明教授定年退職. |
| 平成19年4月 | 垣内喜代三教授を研究科長に選任. 冬木隆教授を副研究科長に選任,物質科学教育研究センター長を併任. 塩嵜忠教授,菊池純一教授が学長補佐に指名される. 超分子集合体科学講座に廣田俊教授着任. |
| 平成20年3月 | 布下正宏教授定年退職. |
| 平成20年10月 | 濱野凖一レーザーバイオナノ科学寄附講座が設置され,増原宏特任教授着任. |
| 平成21年3月 | 塩嵜忠教授定年退職. |
| 平成21年4月 | 谷原正夫教授を研究科長に選任.物質科学教育研究センター長を併任. 太田淳教授を副研究科長に選任. 垣内喜代三教授が副学長に指名される. 河合壯教授が学長補佐に指名される. 情報機能素子科学研究室が設置され,浦岡行治教授昇任. |
| 平成23年4月 | 大門寛教授を研究科長に選任.物質科学教育研究センター長を併任. 菊池純一教授を副研究科長に選任. 片岡幹雄教授が副学長に指名される. 浦岡行治教授が学長補佐に指名される. 4研究室(グリーンマテリアル,グリーンデバイス,グリーンナノシステム,グリーンバイオナノ)設置. |