有機エレクトロニクスとエナジー・ハーベスティング
これが当研究室のキャッチフレーズです。
エレクトロニクスの発展の方向性の一つとして、より低コストで環境に対する影響の少ない技術を用いたり、いたるところに存在して、我々が意識することなく高度な役割を果たすものへと進化を続けていくと考えられています。私たちの身の回りを見渡してみると、様々な「表面」がエレクトロニクスの機能としては未だ手つかずのままです。衣食住にわたって、さりげなく多様な機能を追加していゆくことで、私たちのくらしをより快適でより豊かなものにできます。そのために、柔らかい有機材料でできた電子デバイスの研究や、「印刷」によって電子回路を形成する研究が世界中で盛んに行われているのです。
エレクトロニクス製品は、製造時、輸送時、使用時に、それぞれエネルギーを消費します。有機電子デバイスでは、閉殻構造である分子を組み合わせることによって、低い温度で形成した薄膜でも欠陥の影響を受けずに高い機能を発揮させることができます。すなわち製造時に熱を与えるためのエネルギーが少なくなります。プラスチック基板上にデバイスを作成することで構造のほとんどを比重の小さい有機物にでき、さらに曲げにも強いことから厳重な梱包や構造補強を省略することができます。これによって輸送に関わるエネルギー消費を抑えることができます。新たな機能を期待するかぎり使用時の消費電力を削減することは容易ではありませんが、低コストなフレキシブル太陽電池や、これまで捨てるだけであった熱エネルギーを収穫するフレキシブル熱電変換素子を用いれば、新たに生じたエネルギー消費を身の回りの環境から回収できます。
当研究室では、社会の持続可能性を考慮しつつ、衣食住全般にこれまでにないエレクトロニクスの機能を付加してゆくことを目指しています。機能性有機材料をベースに、低環境負荷な製造プロセスによってフィルム基板上などに従来にないデバイスをつくるために、あるいは、環境中の未利用エネルギーから電力を生みだす新デバイスを創出するために必要な基礎から応用までを幅広く研究しています。
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